建築とは関係なく 且つ長文ですいません。
このたびブログ「菊地桃子さんのPTAに関して思うこと」を読みました。
実は自分もPTA会長を2年間務めさせて頂き、今期で無事その任を降りたところです。
その際、PTA新旧役員の方々にお話した内容を要約して僭越ながらご紹介します。
今の時代はインターネットやスマフォが普及して我々は情報化社会の恩恵を受けて生活しています。ほしいと思った情報が瞬時に得られるというのはとても便利なことです。
また同じように「無駄なもの」と「無駄ではないもの」を分けるのは、身も蓋もない言い方になりますが「要は明日の自分の財布の中身が増えるか?減るか?」という考えを基準とし、社会全体がそれを万能な物差しであるということに合意しているように思えます。
そんな中、いろいろなメディアを通してPTAについての不要論やより効果的、効率的に変化するべきだという意見や主張を耳にし、目にします。ここにいらっしゃる保護者のみなさまも1年間のPTA活動で少なからず無駄が多い、もっと合理的にして負担を減らしてほしいって思ったのではないでしょうか?
先ほどわたしが申し上げた基準を採用するとそんな思いも浮かんでくるのだと思います。
グッドウィルハンティングという映画があります。
愛着障害でありながら天才的な頭脳、本を読んで瞬時に手に入れる膨大な知識と情報ですべてを論破し、他人を寄せ付けない主人公のウィルに対して、彼を立ち直らせようとする心理学者ショーンが言うセリフを紹介します。
「もし僕が芸術について君にたずねたら、君はおそらく今までに書かれた本の中の細かい情報まで僕に示すだろう。例えばミケランジェロ。君は彼についてたくさんのことを知っている。生涯の作品、政治的な野心、彼と法王の関係、性的な嗜好、すべての作品。でもきっと君は、システィナ礼拝堂がどんな香りがするのかわからない。君は実際にそこに立って、美しい天井を見上げてその素晴らしさに圧倒されたことが一度もないんだ。一度も。」
先月、京都円山公園の桜が今年も満開となりました。
もちろん情報化社会の現代ですから、いろいろなデバイスから、その映像や画像を見て、その素晴らしさはご存知のとおりですよね。
でも、丸山公園の桜の形や色、本数や樹齢を知っていても
そこに漂う桜の香りや、風にそよぐ桜のおと、木漏れ日の温かさや何よりもそこに居ることで得られる気持ち良さという肌感覚の情報はスマフォからでは得ることも感じることもできません。
学校の外から
様々な情報端末を駆使し、学校のホームページや他の保護者やこどもたちからの話を聞き、家庭訪問で先生から話を聞くことで、今の学校を取り巻くマクロ的な社会環境や、自分のこどもが通う学校の様子や情報をある程度得ることはできるでしょう。
ただ、みなさんのように、1年間PTA活動を通して学校に足を運んで、自分の目で見たもの、校庭から聞こえた子どもたちの声、子どもや先生方の表情、そこで感じたことは、ここに来なければ得られないものです。
言い換えれば、先ほど話した基準では到底計ることのできない貴重な財産を手に入れたのだと思います。
面戸だなぁとか忙しいのに、なんて思うこともありながら、私も学校に何度となくお邪魔させて頂きましたが、そんな経験をしながら、肌感覚で自分が感じた、見た、聞いた情報の圧倒的なすごさを感じるのです。
これは本当に得難い財産であり、子どもを育てて行く上で貴重な情報であると思います。
是非、この一年間の活動で得たその財産を活かして今後の真に豊かな子育てに役立てて頂きたいと思います。
そしてこれからも積極的に学校にお運びいただき、そんな財産を積み上げていってもらいたいと思います。
以上
2016年4月28日
カテゴリー:工務店の建築コラム